これからの
地域包括ケアシステム
筑波大学
医学医療系
筑波大学附属病院
浜野
淳
今夜のテーマ
1.
地域包括ケアの背景
1. 社会保障制度改革 国民会議
2. 医療機能の分化・連携と地域包括ケア
2.
地域包括ケアシステムが目指すこと
1. ゴールはいつか?
社会保障制度改革
国民会議
•
世界に誇る社会保障制度の転換期
– 結果として高齢社会&課題として少子化
– 社会保障制度の持続可能性を高める
•
「学者は国の奴雁なり」(福沢諭吉)
– 現状を冷静に分析し将来にとって何が良いか?
•
世界一の長寿国にした社会保障制度
– 将来の世代に伝えるため
社会保障制度改革
国民会議
•
社会保障4分野の改革
– 少子化対策 – 医療・介護 – 年金
•
1970
年代モデルから
2025
年日本モデルへ
– 現役世代の雇用
– 子育て支援
– 低所得者・格差
2025
年日本モデル
•
地域づくりとしての医療・介護・福祉・
子育て
•
地域ごとに異なる高齢化の状況
– 高齢人口が増える都市部
– 人口が急速に減少する地域
• 生活関連サービスの供給が困難
•
疾病構造の変化に対応できる医療提供体制
– 医療機能の分化・連携
社会保障制度による高齢少子化社会
疾病構造の変化に対応できる医療提供体制
1970年代モデルから2025年日本モデルへ
地域づくりとしての医療・介護・福祉・子育て
地域包括ケアシステムの構築
医療機能の分化・連携
少子化対策 医療・介護 年金
現役世代の雇用 子育て支援 低所得者・格差 住まい
医療機能の分化・連携と
地域包括ケア
•
医療機能の分化・連携の背景
– 地域ごとに異なる需要と供給のミスマッチ
– 提供者側と利用者側が一体となって改革
•
分化・連携を進めるための医療法の改正
医療法
第6条
2
の
3
項
国民の責務
•
国民は、良質かつ適切な医療の効率的な
提供に資するよう、
医療提供施設相互間
の機能の分担
及び
業務の連携の重要性に
ついての理解を深め
、医療提供施設の機
能に応じ、
医療に関する選択
を適切に行
い、医療を適切に受けるよう努めなけれ
ばならない
2つの地域包括ケアシステム
I.
多職種連携モデル
II.
植木鉢モデル
i. ゴールいつか?
多職種連携モデル
•
ゴールはいつか?
– 医療機能の分化・連携が完了する(予定の)
2025年
•
ゴールは何か?
– いつでも、どこでも質の高い医療・ケアを
提供できるシステム
多職種連携モデル
•
どうすれば良いか?
– どういう地域なのか?
2つの地域包括ケアシステム
I.
多職種連携モデル
II.
植木鉢モデル
i. ゴールいつか?
植木鉢モデル
•
地域包括ケアシステムの原則
– 提供者側と利用者側が一体となって改革
– 市民と専門職(=市民?)の協働
•
地域づくりとしての医療・介護・福祉・
植木鉢モデル
•
ゴールはいつか?
– 市民の「人生の最終段階」
•
ゴールは何か?
植木鉢モデル
•
医療提供体制の再構築によって
– 本人・家族の選択・心構えを変える必要がある
•
心構えが変われば「すまい・すまい方」が
変わる
– 市民のニーズに合わせた「地域づくり」
市民が自分自身の事として
地域づくりの3つのレンズ
吉村学 レジデントノート 2010より引用・一部改編
医療・福祉・介護職が
地域づくりの3つのレンズ
•
専門職は「4
00
倍レンズ」になりやすい
•
目の前の患者さんを
– 400倍:在宅ケア・生活支援
– 40倍:多職種協働・連携→統合へ
– 4倍レンズ:医療提供体制のミスマッチ
地域づくりの3つのレンズ
•
専門職は「市民であること」を忘れやすい
•
専門職も「市民」として
– 400倍:「自分事」としての医療
– 40倍:自分自身の20年後
– 4倍レンズ:次世代のための地域づくり
まとめ
•
地域包括ケアシステムは
– 市民としての責務
– 次世代への財産
– 地域づくりの「手がかり」
•
地域包括ケアシステムを作るには
– 市民との協働